風
「春一番」この時期によく耳にします。「春一番」が吹くと季節の変わり目、強い風と共に春がやってきた!!と感じ、また、冬を知らせる風「木枯らし」等、季節ごとにいろいろな風に名前がついている日本語。そんな風の名前は、俳句や和歌ではたくさん使われています。風の名前をさりげなく手紙やメールの挨拶文に入れると、季節感たっぷりの風景が伺える手紙になりますね。
今月はいろいろな風についてご紹介していきます。
春の風
- 春一番
- 立春から春分までの間に初めて吹く9m/秒以上の南風
- 東風(こち)
- 春、東から吹く風 別名 春風、春を告げる風です。
- 東風吹かば匂い起こせよ梅の花、主なしとて春な忘れそ<菅原道真>の歌は春を告げる歌として有名
- 花嵐(はなあらし)
- 桜の花の盛りの頃に吹く強い風。
- その風で錯乱の花が散り乱れます。
夏の風
- 薫風(くんぷう)
- 新緑の頃にそよそよと吹いてくる心地よい初夏の南風。
- 黒南風(くろはえ)
- 暗雲がたちこめる梅雨時、暗い雲に覆われる頃吹く南風
- 涼風(すずかぜ、りょうふう)
- 2種類の読み方があります。
- 晩夏の頃に吹く微かに秋の気配を感じる風
秋の風
- 金風(きんぷう)
- 秋風、秋に吹く風、稲穂を揺らす風。
- 昔、秋のことを「金」と表現しました。
- 野分(のわき)
- 野を分けて、草木をなぎ倒し、荒れくるう暴風、二百十日ごろに吹く台風を含みます。
- 芋嵐(いもあらし)
- 里芋の葉を揺らす風、この風が吹いたら、芋の葉を摘むと良いとされていました。
冬の風
- 木枯らし(こがらし)
- 11月ごろ吹く木の枝に残った葉を吹き飛ばしていく風。
- 隙間風(すきまかぜ)
- 扉や障子や壁の隙間から細く入り込む冷たい風。
- 冬凪(ふゆなぎ)
- 冬の海が風もなく凪渡ること。
- 風花(かざはな)
- 晴れている中、花のように雪が舞うこと
日本の風の名前は実に2000以上もあります。これだけでもビックリしてしまいますよね。多くは魚師や農家の人がつけたらしいです。四季の移り変わりを太陽や気温、そして風の様子をみて、海に出たり、収穫の参考にしていたりと様子が伺われます。
改めて、日本語は自然に関する言葉の豊かさを感じられます。

