レシピ / Recipe

薩摩芋

木枯らしがやってくるころに恋しくなるのが、焼き芋、ホクホク甘いさつまいもです。

落ち葉で焚き火をしながらじっくり焼く焼き芋、最近ではあまり見かけることのない秋の風景ですが、スピーカーの「いーし やーき いもー」を聞くと、なんだか暖かな気分になれますね。今回は、秋の風物詩、さつまいもの奥深さをのぞいてみましょう。

さつまいもの原産地は中米で、日本へは中国を経て、17世紀に沖縄から当時の薩摩(現在の鹿児島)に伝わったので、薩摩の芋ということで、さつまいもと名づけられました。

さつまいもが注目を集めたのは、江戸時代に起こった享保の飢饉、餓死者が全国で100万人近くでたにも関わらず、薩摩藩では犠牲者が出ませんでした。荒地でもたくましく育つさつまいもが飢饉を救ったとのことで、江戸の農学者青木昆陽は、早速薩摩から苗を取り寄せて、関東各地に種芋を配って、栽培を推奨しました。そして、さつまいもは命の糧として、全国的に広がっていきました。

18世紀の終わりごろ、江戸の町には焼芋屋が現れ、手軽に食べられる現在のファーストフードのような存在となりました。また、さつまいもがブームとなって「甘藷百珍(いもひゃくちん)」という料理本が出版されて、それには123種類のさつまいもの料理が掲載されています。そして、第二次世界大戦中の食べ物がない時代も主食として量産され、日本の命をついないできました。とても、すばらしい栄養素を持っている「いも」と言えるでしょう。

さつまいもの栄養素

糖質のほか、カロテン、ビタミンC、カリウム、食物繊維などが豊富。ビタミンCは加熱しても壊れにくいのが特徴。

保存方法

旬は9月から11月ですが、収穫後、貯蔵されたことによって、甘味が強くなりますので、12月、1月もおいしいものが出回っています。

寒さと乾燥が苦手なため、冷蔵庫に入れずに新聞紙等に包んで常温保存。掘りたては、新聞紙等に広げ、数時間日光に当てると余分な水分が抜けて、甘味が増します。

ゆっくり加熱するのが調理のポイント。焼き芋はゆっくり焼くので、ふんわりとした甘味になるわけです。

さつまいもの主な種類

紅東
(べにあづま)
[紅東(べにあづま)] 拡大して見る 関東地方の代表品種、最も出荷量が多い。焼き芋に最適
五郎島金時
(ごろうじまきんとき)
[五郎島金時(ごろうじまきんとき)] 拡大して見る 加賀の伝統野菜。糖度がかなり高い。
安納いも
(あんのういも)
[安納いも(あんのういも)] 拡大して見る 種子島特産、オレンジ色の果肉でカロテンの含有量が多く、ねっとりしている。
パープルスイートロード [パープルスイートロード] 拡大して見る 別名、紫芋、切り口が紫色で、ほくほくした食感

やせた土地でもよく育ち、その上、葉や茎も食べられ、栄養満点!おまけに主食からスウィーツまでと幅の広さにとまさに優れもの。NASAでも宇宙ステーションで栽培する研究をしているそうです。まさに過去から未来へとつづく、スーパー野菜の「さつまいも」。この冬、寒さを忘れてあの「甘み」を楽しんでみませんか?

前回の知恵袋へ次の知恵袋へ